姫路城マラソン2019完走!フルマラソンで犯すミスを確認してきました。

2019年 2月 24日(日)
姫路市 世界遺産姫路城マラソン2019

コースは世界遺産の姫路城前をスタートし、姫路の名所旧跡や自然を満喫できる日本陸上競技連盟公認の42.195km。

プログラムのコース図を調べてみるとコース最北部になる塩田温泉付近の高度が60m、スタート地点は0mほどになっています。
コース図だけを見ると起伏があるように感じますが、高低差(0kmから10kmまで高さ40m)を垂直距離/水平距離で計算すると勾配はなんと!わずか0.4%!

でも、0.4%と侮ることなかれ。
川を越える橋やその他にも小さな起伏はあるので、北へ向かって上っているようで下っていたり、折り返しから下っているようで上っています。

そんなコース図に惑わされそうな姫路城マラソンを今の自分に走り切れそうなペースを保ちながら、みんなが陥りそうなフルマラソンのミスをしっかりと観察・分析しながら走ってきました。

昨年は「1km5分ペースを守って走る → 3時間30分切り」を自分自身の課題とし、周りを走っているランナーを観察しながら大会へ参加してきました。
過去記事【 姫路城マラソン完走!フルマラソンで犯すミスを確認してきました。
上記のことは昨年に確認してきたので、今年は「サブ3.5からサブ4を目指す人達のランニングフォームを確認する」ということを課題にしながら走ってきました。

 

なぜ「サブ3.5からサブ4を目指す人達のランニングフォームを確認する」ということを課題に走ったかというと、全国各地のスポーツショップや健康増進施設等でランニングクリニックをする際には「ランニングフォームを改善・習得する」ことをテーマとしているため、多くのランナーが陥ってしまっていることを大会に出場し、同じタイムで走ることによってレースの現場で起こっている状況をその目で見ることができるためだからです。

これから挙げていくことを1つでも減らすことによって、皆さんが目標としているタイムをクリアできるように参考としていただければ幸いです。

実際に走りながら確認をして改めて感じた内容は次の通りです。

① 服装が気象条件に合っていない
② ランニングシューズを履けていない
③ ランニングフォーム
④ まっすぐ走れていない
⑤ ペース配分の前にペース感覚がつかめていない

「5つだけ?」と思われるかもしれませんが、大きく分けて5つに分類されるだけで一つ一つには大事な要素が詰まっているので、いつも行き詰っている方や今よりも少しだけ速くなりたい方・楽になりたい方は、この5つの項目を見直してみてはいかがでしょうか?

こちらもどうぞ。
【 姫路城マラソン完走!フルマラソンで犯すミスを確認してきました。 】

 

※ 個人的な感想も含みます。

 

① 服装が気象条件に合っていない

予想気温(前日までの予報)は13時頃の14度を最高にスタート前の9時頃の気温は8度ほどと、2018年の大会と違って気温が最高で10度も高いと予想をされていました。これは開催時期が2月の2週目と4週目の違いがありますが、前日までに開催地の天気予報をチェックするのは参加をするランナーとしては当然の行為ですし、応援へ駆けつけてくれる方々でも気にしている部分だと思います。

そこまでは皆さんも当たり前のように行っていることだと思いますが、問題はスタート前の対策とスタートをしてからの対策ができているのかどうかということが「服装が気象条件に合っていない」ということになります。

スタート前はゴミ袋をポンチョのように加工したり雨ガッパを利用しているランナーを見かけるようになったので、レベルを問わずにスタート前の気温に対して対策されるようになったと感じました。
また、スタートをして数kmを走ったところでスタート前に着用していたゴミ袋やポンチョを脱ぎ捨てている方もいたので、この行動も「気温に対して対策されているのかな」と思いました。
しかし、そのゴミ袋やポンチョを脱いだの服装は13時頃の気温に対して対策を練られたものではなく、あくまでもスタート前の気温を想定した服装のランナーが多くいたということです。

13時頃が最高気温になるということは9時にスタートをしてから4時間後。サブ3.5やサブ4を目指す方には一番しんどくなる時間帯でピタッとしたアンダーウェアや長袖を着用されていたこと、アームカバーや手袋を着用していたことは「少しでも体力を残しておきたい」「走ることへ体力を使いたい」と考えるランナーにとって障害になっているはずです。手袋やアームカバーを着用しないといけないほどの寒さだったのか、手袋を外したりアームカバーをずらして少しでも暑さ対策をしようと意識できなかったのかという課題がありますよね。
サブ3.5やサブ4を狙うランナーに限らず、完走を目指す方にとっても13時頃はまだまだ走っている時間帯であり、そこからゴールまでは制限時間の6時間ギリギリの人からすると2時間も残っています。

そういうことを考えるとスタート前の気温対策だけでなく、自分がゴールするであろう時間帯の気温も対策していく必要があるはずです。

 

② ランニングシューズを履けていない

近頃はナイキ社の厚底シューズが流行していることもあり、大会会場やコース上で履いているランナーをよく見かけました。別にそれが悪いということはありませんが、ランニングシューズのメーカーやモデルに関係なく、シューズをしっかりと履けていないランナーが多くいるように感じました。

というのも、「シューズが足にフィットしていない」ということです。

「ショップで足のサイズを測ってもらったからフィットしています」と思う方もいるかもしれませんが、走っている足元を見るとシューズの内側と踵の間に隙間がありカポカポのように感じました。想像してもらうとすれば少し大きめのシューズを履いている感じです。

まずランニングシューズはショップで試履きをする時に「踵をコンコンっと合わせてください」と言われます。そこはクリニックでも説明をしていますが、そこから先の手順に改善の余地があります。
シューズを履く際に踵をコンコンとするのは、シューズの踵部分にあるヒールカップに踵をフィットさせるためです。そこからシューレース(靴紐)を結ぶわけですが、このシューレースを緩く縛っているランナーが多くいることがクリニックで確認できました。
せっかく踵をヒールカップに合わせたのにもかかわらず、靴紐を緩く縛ってしまったがためにシューズの中で足が微妙に動いてしまい、シューズの内側と蒸れた足が擦れてマメができたり、踏み込んだ際には最大の反発力を生むはずであるソールの母指球当たりから足が動いてしまって最大限の反発力を得られていないとも考えられます。
一生懸命に走っているのに力が伝わらない、もしくは力が得られないのはもったいないと思いませんか。

ランニングシューズの履き方は文章にするとうまく伝わりませんので、説明を受けながらランニングシューズの履き方の違いを体感していただくほうが伝わりやすいランニングクリニックへお越しください。

 

③ ランニングフォーム

ランニングフォームの説明は以前に説明してあります。
ランニングフォームを改善

サブ3.5やサブ4を目指すランナーで自己記録を更新できないでいる方は、ぜひ上記の内容を試していただければと思います。
また、サブ3を目指すランナーの半分くらいの人にも当てはまる内容でもありますので、でひお試してください。

 

④ まっすぐ走れていない

大会当日、スタートからゴールをするまでに30人ぐらいの後ろを数百mほど追走する場面がありました。
その時に感じたことですが「正面を向いて走っているのにまっすぐ走れていない」というランナーが多くいました。

クリニックで「体幹トレーニングは必要ですか?」と質問されることがありますが、体幹トレーニングは様々なスポーツ選手が必要だとテレビや雑誌などで説いていましたが、ランニングにおいて体幹が大事な理由は最短距離を走ってゴールを目指すことを前提に「まっすぐ走る」ためであり、身体のブレをなくして「エネルギーロスをなくすため」です。
もし仮に体幹トレーニングをしていて蛇行をするように進路を取っているランナーは、まっすぐ走るための推進力をランニングフォームから得られていない・無駄なエネルギーを消費してしまっていると言っても過言ではないはずで、マラソン大会のコースはある規則に則って距離計測を行っているため、まっすぐ走れていなかったり最短距離を走れていなかったりするのは他のランナーよりも多くの距離を走っていることになると考えられます。

そう考えると「まっすぐ走る」ということも練習をする必要があるのではないでしょうか

 

⑤ ペース配分の前にペース感覚がつかめていない

これは前回の【 姫路城マラソン完走!フルマラソンで犯すミスを確認してきました。 】にも書きましたが、スタートをして間もなくから周りの速さに流されてしまい、いつもの練習で走っているペースと違った速さで走ってしまうことが後半で失速してしまったランナーに当てはまる原因です。
また、それ以外にも「速過ぎた!」と途中で気づいたものの、ペースを落とそうにも「どれぐらい力を抜いて走ればいいかわからない」というのもペース感覚がつかめていないと言えます。

上記のパターン以外にも、ランニング教室やランニングクリニックをしていると「前半が速過ぎるから落とせと言われるけど、前半を抑えて走っても後半はやっぱりきつい」と言われことがあります。
この原因は自分自身がフルマラソンなりマラソン大会に出場する距離を走り通せるペースが把握できていないからであり、ペースをどれぐらい上げていいのかも下げていいのかもわからないからこその意見だと感じました。
(いろいろな練習をしてもらうとペースが把握できていないことが証明されたため)

「ネガティブスプリット」という言葉がWEB上や雑誌などのメディアに出ていることがありますが、教室やクリニックでネガティブスプリットのことを「前半抑えて後半上げることでしょ?」と言われることもあります。
確かにネガティブスプリットは簡単に説明をすると「前半はペースを押さえて後半にペースを上げる」ということになります。
しかし、ネガティブスプリットは「後半のラップタイムが前半のラップタイムを上回るペース」のことを指し、単純に前半を抑えて後半を上げれば良いというわけではありません。
これはそもそも最後まで走り切れるペースであることが前提にありますし、最後まで走り切れるペースであるということは自分自身が最後まで走り切れるペースを把握できているということでもあります。

そう考えると「前半が速過ぎるから落とせと言われるけど、前半を抑えて走っても後半はやっぱりきつい」という意見は、最後まで走り切れるペースを把握できていないからではないでしょうか。また、自分自身が走り切れるペースがどれぐらいなのかを想定して日頃からランニングに取り組めていないからだとも考えることができるはずです。

 

※ ネガティブスプリットの参考例
姫路城マラソン2019に出場した教室の女性

こちらの女性は日頃の教室ではペース配分やペース感覚を身につけることを中心に練習してきたからで、自分自身が走り切れるペースや走りやすいペースがどれぐらいかをある程度把握できているからこその成果です。

 

今年の世界遺産姫路城マラソン2019では今回挙げた5つを重点的にチェックしてきました。

フルマラソンは練習(基礎基本含む)も大事ですがコースや当日の天候・自身のコンディション等、大会でベストパフォーマンスを発揮するための情報戦略・作戦も大事になってきます。

さくら組は「楽しく走っているだけだから。」と言われたり「あんまり走らないよね。」と言われがちですが、それでも自分自身の現状把握や情報戦略だけで結果を出し続けている人達がいるのも事実です。

雑誌やWEB、周りのラン友さんから得られる情報が原因ではありませんが、雑誌やWEBの「これでサブ〇達成!」の情報や「これで速くなったよ」のラン友さん情報は、その人がそれまでに築き上げてきたものや失敗があっての成功体験でしかありません。
なので自分自身が失敗から学ぶことも大事ですから、練習でいろんなことにチャレンジをして失敗をするのも大会で良い結果を残すための練習になるはずです。
周りの情報に流されないようにするために1回1回の練習を大事にしていきましょう。

今回挙げた5つの問題点を読んで心当たりがある方。
自身のランニングを見直してみるのはどうでしょうか。