姫路城マラソン完走!フルマラソンで犯すミスを確認してきました。

2月11日(日)
姫路市 世界遺産姫路城マラソン2018

コースは世界遺産の姫路城前をスタートし、姫路の名所旧跡や自然を満喫できる日本陸上競技連盟公認の42.195km。

プログラムのコース図を調べてみるとコース最北部になる塩田温泉付近の高度が60m、スタート地点は0mほどになっています。
コース図だけを見ると起伏があるように感じますが、高低差(0kmから10kmまで高さ40m)を垂直距離/水平距離で計算すると勾配はなんと!わずか0.4%!

でも、0.4%と侮ることなかれ。
川を越える橋やその他にも小さな起伏はあるので、北へ向かって上っているようで下っていたり、折り返しから下っているようで上っています。

そんなコース図に惑わされそうな姫路城マラソンを今の自分に走り切れそうなペースを保ちながら、みんなが陥りそうなフルマラソンのミスをしっかりと観察・分析しながら走ってきました。

 

感想を混ぜながら書いていこうと思いますが、ミスをざっくり挙げるとこんな感じかと思います。

① 練習ができていないのに高い目標設定をする。
② 調子が良いと錯覚してしまう。
③ 実力以上のペースや無理なペースアップをする。
④ 周りに流されて走ってしまう。
⑤ 防寒対策を早々に破棄しまう。
⑥ コース図を鵜呑みにしてしまう。
⑦ コースの位置取り、蛇行、コースの横断。

① ~ ④ はレース当日までの問題であり、
⑤ や ⑥ はコース情報への対策ミス、
⑥ と ⑦ は目から入る情報への判断ミスです。

その辺りを珍しく長々と書いていくので、興味のある方は最後までお付き合いください。
また、個人の感想でもありますので反論等のお問い合わせはご遠慮願います。

 

ではでは、個人的な感想とともに展開しますのでお付き合いよろしくお願いします。

 

① 練習ができていないのに高い目標設定をする。

これはフルマラソンにだけではなく、出場予定の大会全てで当てはまるかと思います。
目標設定をすることはすごく良いことですが、その目標設定が高すぎることによって普段のトレーニングで無理をしてしまったり、この後の③にも当てはまることですが実力以上のペースで走ってしまったり、途中から無理なペースアップをして最後までペースを維持できなかったりと練習してきた成果を出せなかったのではなく、現状のレベルを把握できていなかったり、普段の練習ができていない証拠です。
「練習ができていない」という意味は走る走らないの「できていない」ではなく、「そのペースに応じた練習ができていない」ということなのでお間違えなく!

 

② 調子が良いと錯覚してしまう。

これは大会当日までの過ごし方です。
教室やクリニックで聞かれることですが「日曜が大会やから明日は何もしない」。
その調整方法でも良いとは思いますが…
1週間前から練習を落としていくことでそれまでの練習で筋肉に張りが出ていたのに負荷をかけないことによって疲労が抜け、逆にフワフワしたように感じたのを体験したことがある方がいると思います。
普段から身体の調子を気にしているのであれば今の自分自身の体調がどういう状態なのか、しっかりと把握できるはずです。
また、フワフワしなかったとしても走り始めたときに身体が軽いと感じて途中からペースを上げてしまったり、予定よりスピードが出ていたと慌てたことも少なからず経験があると思います。
そういうことに陥らないためにも調整練習というのはすごく大事です。

 

③ 実力以上のペースや無理なペースアップをする。

これは①でも書いたことと重複しますが、普段から目標タイムのペースに合わせた練習やどういう条件であってもペースを守ったり、様々な状況に合わせられるようにすることで自分が走り切れるタイムでのペース設定や自分が狙えそうな目標タイムが想定できます。
また、残りの距離や現在の残っている体力、どこまでペースを上げられるかもしっかりと判断できるようになるはずです。

 

④ 周りに流されて走ってしまう。

① や ③ のことを踏まえた上での話です。
自分の中に確固たる自信(ペース感覚)がちゃんと確立しているのであれば、スタートをして少し走ったぐらいから自分のリズム(ペース)を守れます。
十分な練習ができたのであれば周りの流れに惑わされることなく、自分の思い描いた通りのレースを序盤から展開することもできますし、残りの距離から自分の体力と相談してペースを上げるべきか下げるべきかを判断することもできるようになります。
スタートをする前はどうしても緊張してしまうことがありますが、自分の中で距離やタイムに対して自信(ペース感覚)を作れていると緊張をすることもなくなるので、早々に自分のレース展開ができます。
自分自身をちゃんと保つための練習を普段から取り入れていくことが必要です。

 

⑤ 防寒対策を早々に破棄しまう。

レース会場でよく見かけると思いますが、透明のレインコートを着用していたり透明のゴミ袋を被っている方がいます。
それは寒さ対策・雨対策として必要です!
ですが、何kmか走っていくうちに暑くなり、途中で脱ぎ棄ててしまう方がチラホラ…。
今回の姫路城マラソンで説明すると、5km以降ぐらいで脱いでいるランナーをエイドステーションのゴミ箱のところで何人も見かけることがありました。
これから気温が下がっていく地域なのに脱ぎ捨ててしまったら…と思っていると、(3時間30分ペースで)20kmを過ぎた辺りから雪がチラホラと舞い始めました。
ここで気温がグッと下がったことや雪に当たって身体が冷えたことが災いし、痙攣を起こしてしまったランナーがいたりペースダウンをしたランナーもいました。(他にも理由がありますが、それは⑥で)
兵庫県外の遠方の方には難しいですが地図や天気図から読み取れる情報も駆使し、持っている力を十分に発揮できるように今は脱ぐ時なのか我慢しておく時なのかと状況判断をする能力もランニングには必要です。

 

⑥ コース図を鵜呑みにしてしまう。

マラソン大会には必ずコース図が掲載されていて高低差やコース攻略のガイドもあったりします。
姫路城マラソンはまさにそれでしたね。

世界遺産姫路城マラソン2018 コース紹介

コース紹介には5km、10km、20km、30km、40kmとコース攻略のためのポイントがあり、実行委員会の優しさ・気遣いが溢れています。ですが、実際にコースを走ってみるとコース図ではわからないほどの小さな起伏があり、コース最高点付近の16kmを過ぎた辺りから18km地点辺りの案山子の応援団を通過した後や23km過ぎのヤマサ蒲鉾 夢鮮館前の上り坂等、下り基調とはいうものの急坂があったりとランナー泣かせの隠れ上り坂がありました。
前日までにコース図を見て下り基調だからと塩田温泉辺りからペースアップをしたランナーが僕の周りにはたくさんいたように思います。
また、一部を抜粋して計算してみましたが0kmから10kmまでの勾配はわずか0.4%。10kmから16km過ぎまでの勾配は0.3%。
知人のランナーからはきついと聞きましたが、そのうちの一部の勾配がきついだけであって全体的に見るとそうでもないような気もします。
コース図から読み取れる情報だけではなく、ラン友さんから聞く情報に惑わされていることもペース配分を間違う原因だったのではないでしょうか。
前日までにコースを下見で走るランナーもいると思いますが、せっかく下見をしているのであれば⑦にも通ずることですので、起伏やカーブ等をぼんやりでも覚えるように走っておくべきだと思います。(お喋りしながら走ってコースを覚えないのであれば、どこを走っても同じです。)

 

⑦ コースの位置取り、蛇行、コースの横断。

右カーブを描いているところを走っていて左端をずーっと走り続けていたり、もちろんその逆もコース上にはありますがその時には右端をずーっと走っていたり。
言葉で表すと大げさに聞こえてしまいますが、次のカーブのイン側を狙って走るズル賢さも記録を狙っていく上では大事かもしれません。
楽しく走っているなら関係ないとは思いますが。
また、沿道へのハイタッチを試みるランナーはコースを右に行ったり左に行ったりしますし、ひどい人はハイタッチができなかったからとコースを逆走をした人も見かけました。
いくら端っこを戻っているからといっても端っこを走っているランナーもいるのでかなり危険な思いをする場面がありました。
他にもランナーがコースを我が物顔で周りを気にしないで突然横切っていたりとランナー一人一人の周りに対する気遣いももう一度考え直す機会があってもいいのかなと個人的には感じることもありました。
この蛇行や横断という行為は危険であると同時に自分自身の体力を必要以上に使っていることと見直していくだけでも記録は向上するはずです。

 

数え上げれば課題はまだまだあります。

フルマラソンは練習(基礎基本含む)も大事ですがコースや当日の天候・自身のコンディション等、大会でベストパフォーマンスを発揮するための情報戦略・作戦も大事になってきます。

「楽しく走っているだけだから。」と言われたり「あんまり走らないよね。」と言われがちですが、それでも自分自身の現状把握や情報戦略だけで結果を出し続けている人達がいるのも事実です。

雑誌やWEB、周りのラン友さんから得られる情報が原因だと言っているわけではありませんが、雑誌やWEBの「これでサブ〇達成!」の情報や「これで速くなったよ」のラン友さん情報は、その人がそれまでに築き上げてきたものや失敗があっての成功体験でしかありません。
なので自分自身が失敗から学ぶことも大事です。
周りの情報に流されないようにするために1回1回の練習を大事にしていきましょう。

今回挙げた7つの問題点を読んで心当たりがある方。
自身のランニングを見直してみるのはどうでしょうか。