2017年箱根駅伝を観て。

青山学院大学が勝ちましたね。強かったことは強かったんですが、昨年や一昨年に比べると強くはなかったですよね。取らないといけない区間を取らず、無難にまとめた結果が今回のタイム差だと感じました。逆を言うと、そのようなミスが青山学院大学にあったのにもかかわらず、そこを詰め切れなかった他の大学の弱さが目立った大会でもあったのかなと思います。

あんまり選手の名前に詳しくないので言葉が少なくなりますが、まずは1区の展開からすでに勝敗が決まってしまったような感じです。青山学院大学の独走を止めたい東洋大学や早稲田大学が、青山学院大学との差をつけられずに2区へとリレーしてしまったこと。特に東洋大学は服部弾馬選手を1区に起用し、後続との差を大きくつけて2区以降へと流れを持って行きたかったはずです。結局は例年通りのスローペースになってしまい、青山学院大学にそのミスへつけ込まれてしまったのではないでしょうか。大差をつけられなかったので服部選手を起用してしまった東洋大学は大きく計算が違ってきたはずです。
ですが、何も東洋大学ばかりがミスを起こしていたわけではありません。1区を走る予定だった山梨学院大学の当日変更、ニャイロ選手の好走が観れなかったこと、東海大学のスーパールーキーと注目されていた關颯人選手等の注目選手たちが振るわなかったこともあります。もちろん2区では青山学院大学の一色選手が走っていましたが、彼も本来の力からすると今一歩出し切れていなかったのではないでしょうか。このチャンスを活かせなかったというのが気になる点です。2区以降のどの区間でも注目されていた選手がしっかりと結果を残した区間が少なかったと思います。7区でも青山学院大学の田村選手が脱水症になってペースダウンをしていたのにもかかわらず、大きく差を詰めていけなかったというのは他の大学の選手が守りに入ったレース展開をしていたということだと思いますし、そこで差を詰めてこられなかったことが青山学院大学の3連覇をより確実なものにしたはずです。

ただ、個人的には東洋大学の9区を走った野村峻哉選手がすごく印象に残りました。あれだけの差をつけられたにもかかわらず、自分の持っている力をしっかりと出し切ったというのは良かったのかなと思います。7分もの差があれば当然ですが前を走る選手の背中は見えるはずがありませんし、それでも前を追って懸命に走ったという証拠なはずです。
実業団レベルでも学生レベルでも、市民マラソンへ出場している市民ランナーの大会を観ていても感じるのですが、走っている姿に「力強さ」がにじみ出てきていることです。こういう選手は調子が良いのだと見ていて安心できますし、「きっと良い結果を残すのだろう」と期待すらできてきます。こういった選手が多く所属するチームは好成績を残しますし、悪い流れが途中であったとしても次の選手がカバーをして悪い流れを断ち切ってくるものです。今回はそういう流れを断ち切って、自分達のペースへと流れを変えられる選手がどの大学にも少なかったことが全体の記録にも影響したのではないでしょうか。

選手を育てていくことやチームの雰囲気づくりをしていくことは難しいことですが、僕にとっても勉強になる箱根駅伝となりました。
(レースを観た感想はあくまで私個人の感想です。気になる点、納得がいかない点についてはお答えしませんのでご了承ください。)