2019年 3月 17日(日)
徳島県徳島市 とくしまマラソン2019
コースは徳島県庁をスタートし、吉野川の南北両岸を往復する日本陸上競技連盟公認の42.195kmで、高低差は比較的小さく、とても走りやすい大会。
(2019年は昼頃から暴風雨、時には雹が降る中での大会となったため、苦戦を強いられたランナーも多かったはず…)
コースを見ると最大高度が折り返した後の西条大橋で約20m、吉野川沿いの土手を上ったり下りたりしているので数mほどの起伏はあるが、単調なコースを走るよりもリズムに変化を持たせることができるので走っていても飽きの来ないコースです。
今回のとくしまマラソン2019の課題は、先月開催された姫路城マラソン2019と同じく「サブ3.5からサブ4を目指す人達のランニングフォームを確認する」ということに加え、「ランニングシューズがしっかりと履けているか」ということに着目して走ってきました。
個人的には「姫路城マラソンよりも丁寧に走り、姫路城マラソンを上回ること」を目標として走ってきました。
個人的な大会の感想・反省はこちらから → 練習日誌。
さて、なぜ今回も姫路城マラソンと同じことを課題にして走ったかというと、3月上旬に開催されるびわ湖毎日マラソンを生で観戦し、その観戦中に感じることがあったので、はるか高みを走るようなランナーと一般市民ランナーの違いを検証したいという想いから、「ランニングフォームを確認する」ということと「ランニングシューズの履き方」をチェックしてきました。
一般市民ランナーは競技者のように速く走りたいと憧れながら、それでいて受け入れられない現実があると「それは競技者だから」と逃げ腰になっていることを教室やクリニックで感じることがあるので、練習メニューなどの実践することが難しいものではなく「競技者ではなくても一般市民ランナーができること」を探すためでもあります。
今回の検証してきたことを改善することによって、皆さんが目標としているタイムを達成することができたり、少しでも目標へ近づくことができるようになるはずです。
姫路城マラソンでも検証した下記の5つについては「姫路城マラソン2019完走!フルマラソンで犯すミスを確認してきました。」で詳しく説明しています。
① 服装が気象条件に合っていない
② ランニングシューズを履けていない
③ ランニングフォーム
④ まっすぐ走れていない
⑤ ペース配分の前にペース感覚がつかめていない
今回新しく検証した点はこちらです。
▼ ランニングフォーム(腕振り)
ランニングフォームはこれまでも説明してきたので「またか。」と思う人がいるかもしれませんが、ランニングフォームは改善することがたくさんあるので「またか。」ではありません。どれだけ速くなっても、どれだけ走れるようになっても改善点は見つかっていきます。今よりももっと速く走れるようになったり、もっと楽に走れるようになるのであれば、普段の練習の中に取り入れても何ら問題はないはずです。
そのランニングフォーム(腕振り)ですが、いつも走っている時に「どこに力を入れて走っているか」を考えて走ったことはありますか?
今回は皆さんが走っている時に動かしている腕、特に手首を念入りにチェックして走りました。
競技者の多くは後ろ(真後ろは難しい)から走っているところを観ると、手首が肘より外に動くような動きをしていることは多くありません。ほとんどの選手は肘が身体から少し離れるように後ろへ動いていて、その動きになっている場合は必ず手首が肘よりも身体の中心に近いところにあります。
そんなバカな!脇は絞めて後ろへ振れって言うじゃないか!
と思う方もいるかもしれませんが、骨盤で上半身と下半身の捻じれが生じているランナーは真後ろから見れば後ろへ振っているように見えます。でも、捻じれた上半身から考えるとほんの少しだけ斜め後ろへと振っているような動きになっています。
「脇を絞める」とは言われますが、脇を締めるのは肩に力が入って肘が身体が離れているためで、肩の力を抜いて肘を身体に近い場所へするためです。
(さくら組では「脇を締める」ということを伝えたことはありません。)
また、肘の動きだけでなく手首の角度等にも注目して走りました。
手首がどのように動いているか、どのように構えられているかを注意して観察しましたが、サブ3.5からサブ4のランナーは手首に力が入っているように感じ、「手首をもっとリラックスさせることで動きが変わるのにな~」と、何人かの後ろを走る時にフォームを真似て走ってみたことで手首に力が入っているのがよくわかりました。
ランニングフォームの改善についてはこちらから。
▼ ランニングシューズの履き方
これも「姫路城マラソン2019完走!フルマラソンで犯すミスを確認してきました。」で書きましたが、しっかりとシューズを履けていないランナーが多くみられました。
シューズはしっかり履いている!
と思っている人の中で、フルマラソンなどマラソン大会で走った後には必ず爪が変色するという人、足の裏や指にマメができるという人、途中から足が痺れてくるというような人はシューズをしっかりと履くことができていません。
これは全国のスポーツショップや健康増進施設で開催している教室やクリニックに参加されている人達に、目の前で実際にシューズを履いてもらうところをチェックしていて気づいた点なので間違いありません。
走っている足元を見るとシューズの内側と踵の間に隙間があってカポカポのように感じました。想像してもらうとすれば少し大きめのシューズを履いている感じです。
せっかくコンコンとして踵をヒールカップに合わせたのにもかかわらず、靴紐を緩く縛ってしまったがためにシューズの中で足が微妙に動いてしまい、シューズの内側と蒸れた足が擦れてマメができたり、爪が変色したりします。他にもマメができるからと強く締めることで足が痺れてしまっていると考えられます。そのため、緩くひもを締めてしまうのでシューズの内側と足が当たってしまって…堂々巡りです。
また、踏み込んだ際には最大の反発力を生むはずであるソールの母指球当たりから足が動いてしまって最大限の反発力を得られていないとも考えられます。
一生懸命に走っているのに力が伝わらない、もしくは力が得られないのはもったいないと思いませんか。
ランニングシューズの履き方は文章にするとうまく伝わりませんので、説明を受けながらランニングシューズの履き方の違いを体感していただくほうが伝わりやすいランニングクリニックへお越しください。
▼ 最後まで走り切れた理由は
お昼から雨という予報通りに天候がお昼頃から荒れ狂っていましたが、天気予報を前日から何度もチェックし、雨が降ることを想定したレース運びをすることと雨が降ってきたからと気持ちを抜かず、反対に集中をして雨の中を走り切れたからだと今でも思います。
詳しくはこちらを読んでください。→ 練習日誌。
今回のとくしまマラソン2019は気象にも問題がありましたが、そのような状況にもかかわらず納得のいく成績を残せたランナーもいるはずです。
フルマラソンは練習(基礎基本含む)も大事ですが、コースや当日の天候・自身のコンディション等、大会でベストパフォーマンスを発揮するための情報戦略・作戦も大事になってきます。しっかりと対策を練って走ったことで良い成績につながったかもしれませんし、他にも想像もつかないことが逆に良い成績につながったのかもしれません。
さくら組は「楽しく走っているだけだから。」と言われたり「あんまり走らないよね。」と言われがちですが、それでも自分自身の現状把握や情報戦略だけで結果を出し続けている人達がいます。
もちろん、これまでにクリニックで講師をさせていただいた時にご参加いただいた方も「練習自体は変わっていないけど自己記録を大幅に更新できた!」と嬉しい報告をしてくださっています。
雑誌やWEB、周りのラン友さんから得られる情報が原因ではありませんが、雑誌やWEBの「これでサブ〇達成!」の情報や「これで速くなったよ」のラン友さん情報は、その人がそれまでに築き上げてきたものや失敗があっての成功体験でしかありません。
なので自分自身が失敗することから学ぶのも大事ですから、練習でいろんなことにチャレンジをして失敗をするのも大会で良い結果を残すための練習になるはずです。
周りの情報に流されないようにするために1回1回の練習を大事にしていきましょう。
今回挙げた課題を改善で来たとき、今回の記事を読んでくださった方々は納得のいく成績が残せるはずです。
大会が終わって一息ついているかもしれませんが、大会を振り返り、改善できるところはないかと見直してみてはいかがでしょうか。