努力って。

「努力」っていう言葉が嫌い。
そんな人がいても不思議じゃない。

つい先日、学生時代にトップ選手として活躍したとある先輩に連絡を取りました。
「〇〇さんにとって努力ってなんですか?」と。

答えは「努力したことがない。」でした。

まぁ、いろいろと取り組んでいた方なので周り(僕)から見れば努力してたのでは…と。笑
競技で役立つかもって心理学を勉強されたり、ケアに気を使ったりされていたはずですし。体重を落とすのも大変だったと聞いたこともあったし。

その先輩の言葉を借りるとこんな感じです。

走ることも、勉強も、何でも”やる!”って決めたら後は勝手に身体が取り組んでいく。のような感じ。習慣化の力を借りていく、って感じ。言い換えたら、嫌なことに関しては「努力」が必要だね!

この言い方からすると…「走るのが嫌だったのか?」と受け止めてしまいました。笑

…すみません。そんな訳ないです。

 

ちょっとここで僕なりの考え方です。
(気に入らない方はスルーしてください。)

まず、「陸上競技」というスポーツを選び、その中の長距離種目を選んだ時点で「走る」ということが当たり前のことで、「速く走る」ことが究極の目的でした。
ということは僕にとっての努力は「走ること」そのものに努力ではなく、「速く走ること」のためにあれやこれやといろんなことに取り組んだことだとあちこちでクリニックをしていくうちにふと思うようになりました。

で、先ほどの先輩の意見と同じようにそのことに対して努力と思いませんでした。
(今だからそれが努力と言える。)
「走ること」そのものには努力しなかったなって。

そうなると、ランニングをしてる人達はどういったことに「努力」しているのか。
ちなみに口で「努力している」と言われるのが嫌い。嫌いというと誤解されてしまうことがあるので「納得がいかない」「腑に落ちない」にします。

たくさんの人達を教室やクリニックで指導しましたが、「走ること」そのものに一生懸命な方が多く、それ以外のこと…ランニングに対しての考え方や速くなろうとするための取り組み方にはあまり目を向けていない方がいるように思えます。
別にそれが悪いと言っているわけではありません!
「筋トレって必要ですか?」とか「体幹トレーニングって必要ですか?」、「フォアフットってありますが…」とか「距離をたくさん走った方がいいですか?」とか。
いつも「いらないと思います」と答えていますが本来であれば必要だとは思っていますよ。そういったことがまだ必要なレベルじゃないので言葉は悪いですが「いらない」と答えています。

身体を痛めることがあると思いますが、「筋力が弱いから」ということだけが故障や怪我の原因ではないと思いますし、「筋力が弱い」ということの前に「負荷に耐えられるだけの身体があるのか」「負荷の少ない動きをしているか」等々、そういうことに課題を設定して改善するために取り組んでいますか?

「そのために筋トレがいるんじゃないの?」と思う方がきっといると思います。

それはまた説明しようかと思いますが、僕が知る人の中には筋トレもされていますが動き作りを重点的にされている方がいます。
きっと「身体を痛めないための動き」であり、「速く走るために必要な動きの習得」でもあり、「少ない練習時間で最大限の効果を得る」ためだと僕は勝手に(すみません)思ってます。

事実、僕はその方より速く走れない…。

怪我に対して、記録に対して、効率良く練習することを考えたときにその練習方法が最適な手段なのかな、と。なにより身体の状態が良くなかったり、気分が乗らないような時は臨機応変に無理をしないように練習されています。
こういった取り組み方が努力であって、本人にとっては普通なのかと思います。

さくら組でいえば「走り方改善」が努力。
改善しようと取り組んだ結果、たくさんの人が少ない練習量で目標とするタイムを達成されました。
たぶん、練習量は周りの人に比べると半分か半分より少し多いぐらいかと…。

先日、ちびっ子教室へ来ているお子さんが陸上競技とは違いますが、水泳3種目で3冠を達成できたと連絡をいただきました。
県大会への参加標準タイムまで0.5秒とか1秒ほどと聞いています。

スイミングの練習メニューは僕が勉強不足なのでこの子の練習方法はこれまで通りです。
変えたのは体力が最後まで持たないということで食事などの栄養摂取についての取り組みや、練習や大会への意識・目標の設定です。
具体的な話は長くなるのでしませんが、取り組みだしてから2ヶ月も経っていません。何を信じて、自分がどうなりたいか。ちゃんと自覚した結果だと思います。

それだけ努力したってことですよね?

 

皆さんの努力の形が変われば、目標達成も近くなるはずです。
僕がここでお手伝いできるのはこれまでです。